「ミルグラムの実験」から分かる“人間の愚かさ”と“権威への服従性”

有名な心理実験に「ミルグラムの服従実験」があります。

これは、スタンレー・ミルグラムというアメリカの心理学者が、「人間は権威のあるものにいかに従うのか」を調べた実験です。

知っている人は、ちょっと怖い残酷なイメージを持たれているのではないかと思います。

簡単に説明します。

ミルグラムの実験

「学習と罰の関係を調べるため、簡単な実験に参加してください」

そんなチラシで、ごく善良な市民が、無作為に集められました。白衣をきた大学教授が見守る中、彼らは先生役と生徒役に分かれ、「青い」「箱」などの、簡単な単語の組み合わせを覚えます。そしてそのあと、生徒役が組み合わせを覚えているかどうか、テストをするのです。

そして、ここからが恐ろしい。生徒役が間違えると、先生役は電気ショックを与えるように、大学教授から指示されます。

最初は15ボルト。ほとんど痛くありません。学習と罰に関する実験なら、それくらいは当然。そう思うかもしれません。でも、答えを間違えるたびに、電撃はどんどん強くなっていきます。

電撃スイッチの横には、電撃の強さを表す順に、

  • 軽い電撃
  • 中くらいの電撃
  • 強い電撃
  • 強烈な電撃
  • 激烈な電撃
  • 超激烈な電撃
  • 危険 過激な電撃

こんな表記がされています。

最初は痛がらなかった生徒役も、間違えるたび強くなる電撃に、どんどん苦しみの様子が激しくなっていく。

最初はうめき声、次に叫び声をあげます。「出してくれ!もうやめる!」「痛くて死にそうだ!」、大きな声でそう叫びます。

それでも実験は終わりません。あまりの絶叫に不安になった先生役は、教授に問いかけます。

「生徒役が非常に苦しんでます!まだ続けるんですか?」

教授は淡々と言います。

「続けてもらわないと困ります。実験が成り立ちませんから」

先生役は教授の指示に、従ってしまいます。

さらに何度かの電撃を受けた生徒役は、激しい絶叫のあと、なんの反応も示さなくなります。もうテストをされても、言葉を発することすらできません…。

すると恐ろしいことに、「沈黙は誤答になります」と、教授はさらに先生役に対し、電撃を加えるよう指示。先生役はそれに従い

反応しなくなった生徒役に、450ボルトもの電撃を加えたそうです。

出展:「天職」がわかる心理学 著 中越裕史

と、こんな実験です。

「そんな実験があっていいものなのか…」と思われる方もみえるかと思いますが、実はこれ、学習と罰の関係を調べる実験などではなく、真の目的は「人間がいかに権威に服従するのか」を調べた実験なのです。

電撃も実際に流れているわけではなく、生徒役は演技。つまりサクラです。

実験の結果として、当初の予想では、「先生役は強い電撃を与えるはずがない。電撃を与えるのをやめるはずだ。」と多くの学者が予想したそうです。

ところが結果は、ほとんどの先生役が強い電撃を加えた。それどころか、無反応になった生徒役に最大の450ボルトもの電撃を加えた人は、全体の約3分の2もいたのだそう…

この実験は、20世紀の心理実験の中でも、もっとも衝撃的なものの一つと言われているそうです。

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